陶芸チャンネルどろんこ

まなび百科TOP 陶芸チャンネルどろんこTOP 陶芸チャレンジTOP

たたら板を作ろう

平たい土の板を作る技法のひとつ、「たたら」。
たたら板と呼ぶ、帯状の板と延ばし棒を使う、陶芸では有名な技法になります。
要は均一に土を伸ばす技法なのですが……簡単に思わせて、意外と難しいかも?
みなさんの陶芸制作の参考にしてくださいね♪

☆このWEBページはすがわら陶芸部会(※参照①)の先生の監修のもと、ほぼ陶芸初心者・菅原センタースタッフ吉田がチャレンジした制作レポートです。

作り方



▲菊練りが終了した時の土の形
量が多いと
もっとわかりやすく
菊の花っぽい
見た目になります

工程① 土練り


   買ったばかりの土は、空気が入っています。
   また、購入して数週間経ってしまった土は、
   たとえ密封していても表面から水が抜け、
   固くなってしまっています。
   これを練って均一のやわらかさにし、
   空気を抜いていく作業を土練りと言います。
   今回は陶芸部会の先生が鮮やかに菊練りをしてくださいました。
   練りあがった土の形が菊の花のようだから菊練り、と言います。
   ちなみに、菊練りをまっとうにマスターするには
   だいたい3年かかるといわれており、
   力の入れ方、土の回し方、なかなか鍛錬のいる技法のようです。



▲ 土の塊は結構固い


▲ タタラ板使用中の図

工程②土を伸ばす


   乾いた作業台の上で、土を麺棒で均一に伸ばしていきます。
   最初はハンマーで叩き、向きを変えたりひっくり返したりしながら伸ばし、
   直径15㎝程度まで大きくなってから伸ばし棒が出動します。
   均一に伸ばすコツは、伸ばす向きを1回ごとに変えること、
   また乾いた作業台でおこなうこと、だそうです。
   そして「たたら」という技法にあるように、
   厚さ4㎝くらいまでになったら
   「たたら板」を側面に設置することが重要になります。
   伸ばし棒の両端に同じ厚さのたたら板を両端に置き、
   伸ばし棒を渡しながら少しずつ伸ばします。
   乾いていないと土が伸びないので、
   作業台が広いほうが使いやすいんですね!


▲ 鉄ベラは傷が入りやすいので
気をつけよう!


▲ 穴は針や指で潰して
均します

工程③土を均す


   たたら板の厚みまで伸ばしきったら、
   鉄のヘラを使って土の表面を撫でて均していきます。
   撫でてみればあら不思議、ぽこぽこと表面に空洞の在処が浮いてきます。
   これを針で一つ一つ潰しては撫でて均し、潰しては均し、
   土を時々板でサンドして、板ごとひっくり返す作業を繰り返します。
   (指でひっくり返すと不必要に伸びてしまいます)
   撫でる方向も毎回違う方が良いそうです。
   力を入れすぎるとヘラ跡がついてしまうので、力加減か大変難しく、
   慣れていない方だと削れ過ぎてしまうこともあります。
   私個人の感覚的には、生クリームをスポンジに5ミリ厚で
   均一に塗るくらいの力加減がちょうどぐらいでした。
   ぽこぽこが無くなるまで根気よく行いましょう。
   空気が入っている証拠なので、うっかり大きな穴を残していると、
   割れたり水漏れの原因になります。
   たたら作りが「初心者向けではない」と言われる由縁ですね。
   とても空気が入りやすい作り方なので、
   初心者の方は先生のチェックをもらった方が安心ですね。

この技法を使って制作したもの

このタタラ技法で以下の2種類の陶芸作品の製作にチャレンジしました。
この先この土の板がどのような展開を見せるのか、良ければご参照下さい。
※すがわら陶芸部会では基本的にタタラ技法は3年以上通われた方を対象に教えている技法になります。



タタラに型押し☆三角一輪挿し

初心者でも簡単に、しかも手早く、
おまけにオリジナリティーたっぷりで作れる一輪挿しです。
絵心無くても大安心な型押し技法が楽しさをプラス!
今回、そんな大活躍した押し型は、すがわら陶芸部会の先生
オリジナル作品を使わせていただきました☆





大判タタラでぐるり!筒型花瓶

レイカフェよりご依頼のあった、
「畑で採れた茎の長い花を飾るための花瓶」を作らせていただきました。
高さ20㎝の背の高い花瓶を、とてもシンプルに仕上げる方法を
教えていただきました。
シンプルは一番難しいかもしれないことを学んだ技法です。




今回の記事を書いた人について




 ・ 

菅原生涯学習市民センター 工作担当 よしだ

アフターファイブも休日もアトリエにこもって絵を描くのがライフワークな、生粋のインドア女子。芸術系大学ガラス造形コース卒。
陶芸は今回を除くと日帰り体験を3回ほどだけ、の習熟度です。また皆さんと大きなものを工作できる日を楽しみにしております。